楽天株式会社 楽天大学学長、仲山考材株式会社 代表取締役

仲山進也 Shinya Nakayama


慶應義塾大学法学部法律学科卒業。シャープ株式会社を経て、1999年に社員約20名の楽天株式会社へ移籍。2000年に「楽天大学」を設立するなど、楽天市場出店者の成長パートナーとして活動中。 2008年に創業した仲山考材株式会社では、メーリングリスト型戦略脳・企画脳トレーニングの私塾を主宰。著書に『楽天市場公式 ネットショップの教科書』、『「ビジネス頭」の磨き方』。

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仲山進也 Shinya Nakayama

慶應義塾大学法学部法律学科卒業。シャープ株式会社を経て、1999年に社員約20名の楽天株式会社へ移籍

東高時代の様子や、大学選びの際に考えたことを教えてください。

高校生活はサッカー部で部活一色という感じ。慶應義塾大学の法学部に指定校推薦で進学しました。父も慶応卒だったので、大学については特に迷うこともありませんでした。

 

法学部には中学生ぐらいから行こうと思っていました。きっかけは小学生までさかのぼるのですが、当時はまだ野球少年団しかなくて、サッカーしたいやつは、放課後みんなで集まってやっていました。日によって人数が違ったり、途中で帰る人がいたりするなかで、みんなが飽きずに遊び続けられるように、ルールをアレンジすることをよくやっていました。その頃から、ルールって大事だなと思うようになりました。

 

ファミコンが流行り始めた小4の頃、友達の家に入りびたって結構やり込んだんですけど、じきに飽きてしまいました。人の作ったストーリーの上で遊ぶより、自分でルールを作って遊ぶほうがおもしろいなってわかったからです。中学に入って、世の中のルールを学べるのが法学部だと知って、行きたいと思うようになりました。

大学時代や就活の様子を教えてください。

最初は検事になろうと漠然と思って、4年生の時に司法試験を受験したのですが、択一試験で1点足りずに落ちてしまいました。あまり受験勉強が得意ではないみたいです。それと、旭川の実家に泥棒が入るという事件があって、そのときに、親が警察から最初に聞かれたのが「息子さんは今どこにいるんですか」だったと。母が「東京です」と言うと、「じゃあ無理か」と言ったそうです。当然のように疑われたのがショックで、検事になりたいという気持ちも強いものではなくなってしまい、考えた結果、自主留年して就職活動することにしました。

 

それまで就職活動もしていないし、企業にまったく興味がなかったので本当に何にも知らなくて、商社とメーカーの違いすらもわからない就活生が誕生してしまいました(笑)。とりあえず四季報なんかを読んだり、数十社の説明会に出たりする中で、少しずつわかってきまして、製造から販売まで全体像がつかめるほうがおもしろそうだと感じ、メーカーに絞りました。

 

ありがたいことに、シャープさんとトステムさん(※)ほか1社から内定をいただきました。実家が「仲山鋼材」という建設資材卸の会社をやっていたので、トステムさんとは取引があったとは思うのですが、当時、トステムさんが鹿島アントラーズの胸スポンサーで、シャープさんがマンチェスター・ユナイテッドの胸スポンサーだったので、「ここはマンチェスター・ユナイテッドだろ!」という基準で決めてしまったのでした。

 

(※)統合により、(株)LIXILに。

そこから、楽天へと転職されましたが、転職のきっかけはなんだったのでしょうか?

シャープでは奈良に配属され、新卒ながら法務担当を完全に任されたりもして、仕事としては恵まれていました。ただ、全体が把握できたほうがおもしろいと思っていた点で、大企業だとどうしても大きなプロジェクトのごくごく一部分を担当することになるので、仕事をやっているという手応えが薄く、自分は大きな会社には向いてないのかも……と思いながら、くすぶっていました。

 

同じようにくすぶっていた仲のいい同期がいて、彼は学生時代から楽天でアルバイトしていた経験があり、入社から1年ちょっとで楽天に転職したんです。それから1年くらいして、彼から電話がありました。「そろそろどう?」って(笑)

 

「人が足りないから来ない?」と誘われたんです。そのときは楽天が何をやってる会社か全然知らなかったし、少なくとも3年間は勤めようと思っていたので、「もう1年したら考える」と言ったんです。ただ、その直後のゴールデンウィークに、たまたま東京に行く予定があったので、「一緒にメシでも食おう」ということになりました。

 

ランチをしながら3時間、仕事の話を聞きました。インターネットの知識自体ほとんどなかったので、何をやっている会社なのかさっぱりわかりませんでした。ただ、彼が「仕事が楽しい」と言うので、ずるいなと(笑)。さらに、「今、うちの会社は15人なんだけど、社長が年末までに60人に増やすと言ってる。来年4月だと100人くらいかな。20番目と100番目、結構違うと思うなぁ」ってボソっと言うんです。それで、確かにそうだなと思って、「社長に会ったりできる?」と聞くと、彼がその場で社長に電話して、3日後に会うことに。

 

会社に行くと、三木谷さんという人が出てきて、「休みの日は何してるの?」みたいな雑談を10分くらいしただけで、「じゃっ、よろしく」といって手を伸ばしてきたので、反射的に握手して、それで転職することになりました。帰りの新幹線で、おみやげにもらった楽天市場への出店資料をみていてようやく、何をしている会社なのかがわかり、「日本の中小企業を元気にしているなんて、おもしろそうだな」と思いました。

すごくあっさり転職したように思いますが、判断のポイントは何だったのでしょうか?

同じようにくすぶっていた同期が楽しいと言っている。「もっと思いっきり仕事をしたい」という仕事観は似ていることはわかっていたので、だったら自分も楽しいんじゃないかっていう、それだけです。給料も聞いてませんから(笑)

楽天に移ってからはどんな仕事をされたんですか?

はじめは出店されている店舗さんのサポートをしていて、どうやったらお客さんが増えるかを店舗さんと一緒に考えることをやっていました。半年後には、店舗さん向けの教育機関である「楽天大学」の立ち上げをしました。自分のような入社半年の若造が、新規事業の立ち上げをするなんて前の会社ではあり得ないことだったので、「大丈夫か、この会社」と思いました(笑)。その後も、ヴィッセル神戸に1年間お手伝いにいって、グッズを販売するネットショップを楽天市場に出店したり、戻ってからは、店舗さん向けの月刊誌を自分一人の編集部で立ち上げることになったり……、誰もやる人がいないイレギュラーな仕事をやる係でした。

自分でも仲山考材という会社を作られたのはどうしてですか?

楽天の店舗さんのなかには、中小企業の経営者がたくさんいらっしゃいます。そういう方々と一緒になって、商売のこと、チームづくりや理念経営の講座をやっていくうちに、自分がサラリーマンであることに違和感が出てきたんです。「経営者の立場を身をもって経験したい」という気持ちが強くなって、会社に相談したところ、ありがたいことに兼業フリー・勤怠フリーの正社員という特別契約にしてもらえることになりました。

 

仲山考材では今のところ、「子どもが憧れる、夢中で仕事する大人を増やしたい」という理念のもとに、「私塾主宰者養成考座」というオンラインの教室型トレーニングプログラムをやっています。情報提供型の講座ではなくて、3~4ヵ月かけて、がっつりビジネス頭を磨くアウトプット型です。楽天としてやるには手間コストと時間コストがかかり過ぎて割に合わないような、非効率極まりないプログラムなので、自分でやっています。濃くて楽しいんです、これが。

ご自身の将来についてお考えのところを教えてください。

ここまでで、もうお判りのとおり、計画とかというのがまったくなくって、分かれ道にきたら、ワクワクするほう、おもしろそうなほうを選ぶ。それだけです。

 

その時々で色々な制約条件はあるけれど、そのほうがアイディアが出ます。制約がないと何をやったらいいか迷うけれど、制約があれば、じゃあこうやったらいいんじゃないかっていうのが出てきます。仕事で経費が使えないなんて最高の制約ですし、希望のところのに進学・就職できなかったというのも制約。じゃあ、そのなかでどう楽しめるか、夢中で勉強や仕事をできるかって考える。

 

あとは、自分が好きで得意なことに集中するようにしています。逆に僕は、苦手なことはビックリするほどダメダメで、書類の記入なんて必ず間違えます。言われた仕事をすべてソツなくこなすようなスタイルとは対極なので、理解のない人からバカにされたりもします。でも、一旦、強みと弱みを理解してもらえると、「あいつには、これをやらせたほうがいい」と、自分が好きで得意な仕事がまわってくるようになります。

 

そうやっているうちに、僕の場合、ドアをノックされるように新しくてワクワクするオファーが舞い込んでくることが多いです。与えられた仕事をなんとなくこなしている人には、ノックはこないですよね。

 

働くことについて、影響のあった出来事があって、大学時代に法学部でゼミ対抗のソフトボール大会というのがあったので、「サッカー大会もやろうよ」と提案したら、「勝手にやってください」と言われました。「ちぇっ、冷たいなぁ」などとブチブチ言いながらも、勝手に場所を見つけてきて、ゼミ対抗ミニサッカー大会を開催しました。大会が終わった時に、「今日はスゲー楽しかったよ。ありがとう!」と言われて握手を求められたんです。その「ありがとう」にジーンときて、「ありがとう」と言われる仕事がしたいと思うようになりました。

 

大きな組織で内部向けに仕事をしていると、「ありがとう」と言われることがあまりなかったりしますが、楽天に入ってからは、店舗さんから「このあいだの仲山くんのアイデア、やってみたら手応えあったよ。ありがとう」なんて言ってもらえることが度々あって、「この仕事、楽しい!」とハマっていったのでした。

 

僕はこういう体験を「魂のごちそう」、略して「たまごち」と呼んでいるのですが、「たまごち」をもらうと、誰でもスイッチが入って仕事を夢中で頑張ることができます。そんな機会をいかに増やせるかを、僕はずっとやってきた感じです。夢中で仕事をしているおじさん、おばさん、おにいさん、おねえさんを増やしたい。夢中で仕事をしているおじさんを見た近所の小学生が、卒業文集に「イチロー」と書く代わりにそのおじさんの名前を書く。そういうのを目指していて、それは少しずつだけど確実に進みつつあると思っています。

今の高校生に向けてのメッセージをお願いします。

なんでもよいので、夢中体験を一つは持ってほしいです。僕の場合は部活なんだけど、「あのときの部活みたい!」と思える状態を作ることができるようになれば、ハッピーになれるんじゃないかと思っています。

 

(2011年12月 インタビュアー 越 政樹)

 

カテゴリー:代表取締役/代表,会社員,著者

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