東京大学低温センター 助教授

朝光敦 Atsushi Asamitsu


1988年3月 旭川東高を卒業後、東京工業大学(1類理学部系)に入学し、同大学大学院へ進学。1995年10月 アトムテクノロジー研究体 ポスドク(ポストドクトラルフェロー)となり、1996年3月には大学院博士課程修了・博士(理学)を修得。1998年4月から通商産業省工業技術院(当時)研究員となり、1998年9月から東京大学低温センター助教授として研究・教育を行っている。

スケジュール

]

朝光敦 Atsushi Asamitsu

1988年3月 旭川東高を卒業後、東京工業大学(1類理学部系)に入学し、同大学大学院へ進学。1995

高校時代はどのような学生生活を送っていたのですか?

高校時代は野球部で主将を務めていました。当然、部活中心の生活で、勉強は全然せず(笑)。夏の大会を終えて、すっぱり部活を辞めて、やることもないので、受験勉強を始めました。部活の間は部活、それが終われば勉強と、時間の使い方に優先順位をつけることは大事。

 

当時から、研究者になろうと考えていたのですか?

もともと数学とか物理とか、理科系の科目が好きで、男子クラスというか、理系クラスに入ったというぐらいで…。部活が終わって、勉強に集中すると、成績が上がってきたので、東京工業大学(東工大)を受けてみようかということになった。受かれば東工大に行くし、落ちたら浪人するかというような考えでした。

 

無事、合格されて入学したと。大学生活の思い出は?

色々なアルバイトをやりました。家庭教師や塾の講師、床を剥がす”はつり”の工事なんかもやりました。野球は、高校までで思い残すこともなかったので、辞めました。理系の学生は勉強も忙しく、レポートも沢山ありましたし、4年生になると研究室に配属され、研究も始まるので。ただ、研究室での研究は楽しくて、この分野の勉強をもう少し続けようと思い、そのまま修士に進学しました。

 

物理でメシを食えたらと漠然と思ってはいましたが、修士2年の時に、いよいよどうしようかと考えたわけです。ドクター(博士課程)に行こうか、就職しようかと。最終的に、ドクターに行こうと決めました。アカデミックな道で仕事をしていこうと。

 

だけど、実は就職が難しかったという事情もあるんです。就職しようと思い、色々と企業もまわったんだけれど、当時、ちょうどバブルがはじけて、就職状況が悪くなり、就職は難しかった。やむを得ずでも、ドクターに行くからには、覚悟を決め、気合いを入れて研究に励みました。

 

研究者としての職探しというのは、どのようなものなのでしょうか?

自分の場合はそのまま東工大でドクター(博士号)をとって、研究室の紹介で工業技術院で、今で言うところのポスドク(※)になりました。公募に応募して争って、ずっと論文で成果をあげなければならないという強迫観念がありました。

 

その後、工業技術院の研究員となり、2年ほど働いて、東大の公募に応募して、現在所属する低温センターの准教授となりました。アカデミックな職は少ないので、それなりに大変ではあるけれども、自分の周りをみていても、志ある人はどこかに職は見つかるし、収まるところに収まるという気がしています。

 

(※)ポスドク…ポストドクターの略。博士号取得後、助手や講師等の大学教員や任期のない研究員などの仕事に就かず、大学等の研究機関で任期付で研究業務に従事する者

 

これからのキャリアについて考えているところがあれば、教えてください。

今、やっていることががらりと変わるというのは、イメージするのが難しい。基本的には好きなことをやっているし(笑)

 

なかなか特殊な仕事だと思いますが、やりがいやおもしろさについて教えてください。

わかっていることを研究している人はいないわけで、 日々研究していって、新しいことを発見して、論文にして公にする。やっぱり、新しいことを見つけるのがモチベーションになっている。それしかないと思います。

 

金儲けするなら大学の先生にはなるなって言ってます。特許とか認められると、凄いお金が入ってくるけれども、基本はあまり期待しないほうがいい(笑)。だけど、裁量労働制で時間も自由だし、上司がいるわけでもない。

 

研究室はファミリーみたいな感じで、その中では学生も非常に重要な位置をしめている。お客さんではなく、バリバリ研究をやる。研究室の中で、実際に実験などを行う学生が、実は一番わかっているなんてことも多い。指導はしているけれども一緒になってやっていますね。

学生の話がありましたが、研究者を目指す学生へのアドバイスはありますか?

研究者を目指すなら、大学院でどの研究室を選ぶかはすごく大きいけれども、どこどこ大学じゃなきゃ駄目というのは、実はあまりない。

 

志を高くもって、意に添わない研究室であっても、物理が好きとかそういう気持ちがあれば、だんだん研究が面白くなってくる。やっているうちに絶対面白くなる。もし,面白くなかったら、研究者の道はすっぱりあきらめた方がいい。

 

研究者も大学だけでなく国の研究所などもあるから色々な可能性があるのだけれども、大学院に進学してから先が長い。同期で就職した人はバリバリ仕事しているわけで、そういう状況にも負けない強い意志が必要かもしれない。

 

ありがちだけど、頑張れば報われる。そうは言っても、アカデミックな職は少ないので、ドクターを取ったからといってメシを食えるわけではないし、自分がやれるかどうかの冷静な判断も時には必要。

 

最後に東高生にメッセージをお願いします。

志を高く持ちましょう。どこかで挫折することも多いけれども、若い時はそれが持てるのが特権。しがらみが増えてくると、思いっきり進路を変えるのは難しい。最初から縮こまっていたらつまらない。志を高くもっていれば、努力しなければいけないけれど、その努力は将来、必ず役に立ちます。

 

(2012年8月 インタビュアー 越 政樹)

カテゴリー:大学教員,研究者

検索する




タグで探す


カテゴリーで探す


アーカイブス


新着情報